「デザインが重要か、コンテンツが重要か」を表すシンプルな法則

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Webサイト制作をしていると、「コンテンツは大したものが作れないからデザインで何とかして欲しい」と言われることがあります。一方で「コンテンツがしっかりしていればデザインはそれなりのものがあればいい」と言われることもあります。

デザインが重要か、コンテンツが重要か。一見、二元論に見えるこの議論はWebデザイナーの間でしばしば論争にもなります

もちろんどっちも重要だけど・・・

結論としては、この手の議論でよく言われるように、「コンテンツが良くてもデザインが悪ければ成果は上がらないし、デザインが良くてもコンテンツが悪ければ成果が上がらない」ということなんですが、このシンプルな折衷案だけでは両者の関係の説明としては不十分です。

私は過去の経験から、デザインとコンテンツの関係を正確に表現すると次のような法則として表せると考えています。

  • 法則1
    同じ内容のコンテンツであれば、
    デザインが良いサイトのほうが成果が上がる。
  • 法則2
    デザインが良くてコンテンツが良くないサイトより、
    コンテンツが良くてデザインが良くないサイトのほうが成果が上がる。

これを図にすると以下のようになります。

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つまり、大きく成果を左右するのはコンテンツだけど、最大限の成果を上げるにはデザインも重要ということになります。
(もちろん、コンテンツに大きく密着したデザインもあるため、明確に両者を切り離すことができない場合もあります)

Webデザインの役割

デザインとコンテンツとの関係は、デザインの役割を見ていくと理解しやすくなります。
Webデザインには3つの役割があります。

(1) 情報の整理
(2) 適切な誘導
(3) 情緒的な関心の醸成

(1) 情報の整理

Webデザインには、情報をより見やすく、理解しやすくする役割があります。
デザインの4原則である「近接」「反復」「整列」「コントラスト」や図版などを駆使することで、よりわかりやすく情報を提供することができます。

(2) 適切な誘導

Webの大きな特徴としてハイパーリンクがありますが、Webデザインにはユーザーに迷うことなくクリックを促す役割があります。いわゆるインターフェースデザインです。

例えば大きくて押しやすいボタンを用意したり、ナビゲーションを目立たせたり、リンク色やリンクアイコンを工夫することで、適切にユーザーが見たい情報へ適切に誘導することができます。

(3) 情緒的な関心の醸成

Webデザインには、よりコンテンツを魅力的に見せる役割もあります。
サイトの色や形、写真やイラストなどを駆使することによって、信頼感のあるサイト、おいしそうなサイト、楽しいサイトなどを演出することができます。

まとめ

これらのデザインの役割は、そもそもコンテンツがないと成り立ちません
一方でどんなに優れたコンテンツがあっても、デザインの微妙な差異で成果に大きく影響することもあります。

もちろんデザインもコンテンツもどちらも重要ですが、両者の関係性を理解しておくと、何に力を入れるべきか、何を優先すべきかが見えてきて、より効果的なサイト作りができるようになります。

また、冒頭のような「デザインで何とかして」という話があった場合でも、このことを話すことで理解を得やすくなります。

文字にするとあたり前のことのようにも見えますが、デザイン性の優先付けというのは、しばしば間違えることがあります。

デザイン性を優先したばかりに本来載せるべきコンテンツをおろそかにしてしまったり、逆にデザインをおろそかにすることで成果が中途半端なものになってしまうことがないよう、常に意識しておくことが大事だと思います。

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