30代でWebデザイナーをめざす人が心に留めておくべき10カ条
2012年11月18日
前回の記事で、私自身が30代でWebデザイナーに転職した経緯をお話ししました。
そのときの経験や、その後Web業界に身を置いて感じたことから、30代でWebデザイナーをめざしている人が心に留めておいて欲しいことを10カ条にまとめました。
1.Webデザインが本当に好きか問いかける。
そもそもWebデザインをすることが本当に好きでないと、Webデザイナーになる(というよりWebデザイナーを続ける)のは厳しいでしょう。はじめは下積みのような仕事になるし、給与や労働時間の環境も良いとは言えません。次々に現れる技術や新サービスを貪欲に吸収していかないと、あっと言う間に取り残されてしまいます。
そんな中でモチベーションにつながるのは、Webデザインが本当に好きかどうかです。
仕事でサイトを作って家に帰った後に、自分のサイトを作ることでリフレッシュになるくらい好きで好きでしょうがないか、一度考えてみましょう。
2.センスは経験のショートカット。
Webデザインはセンスの有無に関係なく、セオリーを学び経験を積めば、ある程度まではできるようになります。しかし、30代でWebデザイナーをめざす場合、その時間はありません。
それを補うのがセンスになります。もちろん、センスだけでWebデザインができるようになるわけではなく、学習や経験も絶対に必要です。
ただ、まったくの未経験からWebデザイナーをめざす場合には、センスが強力な武器になることを覚えておきましょう。
3.今までの経験からWeb以外の強みを明確にしておく。
Web業界での転職は、即戦力が求められます(一般に転職とはそういうものですが・・・)。30代、未経験でのWebデザイナーへの転職は、その点において不利です。
しかし、今までやってきた仕事のスキルが役立つ場合もあります。もちろん、転職希望先の会社がどういう人材を求めるかによって、役立つかどうかは変わってきます。
いずれにしても、特定の業界での人脈や知識、マネージメント力、プレゼンテーション力、論理的思考能力など、自分の強みとなるものがあれば、まとめておきましょう。
4.将来どうなりたいかを明確にしておく。
20代なら、いろいろなことにチャレンジしながら将来を模索しても良いかもしれません。しかし、30代でWebデザイナーに転職するのであれば、40代、さらにはその後の生き方を見すえておく必要があるでしょう。
5年後10年後にどうなりたいか、どうなるために転職するのか、ということをきちんと考えておきましょう。
5.家族の理解と協力は不可欠。
30代となると、結婚をしていたり、子供がいる方も多いかと思います。また、給与が上がってきた方も多いかもしれません。30代、未経験でWebデザイナーに転職する場合、多くの方が減収となることは避けられません。また、スクールに通う費用や勉強する時間も必要になってきます。
そのような中で重要となるのが家族の理解と協力です。しっかりと話し合っておきましょう。
6.自分から積極的に学ぶ。
Webデザイナーをめざす時にスクールに通うべきか独学すべきかについては、人によって意見が別れるところです。ただ確実に言えるのは、スクールに通えば十分な知識とスキルが身につき、就職できるわけではありません。むしろ、必要最低限の知識・スキルが得られる程度と思った方が良いでしょう。
Web業界は、常に新しい技術やサービスが現れます。自分から積極的にキャッチアップしていかないと、あっという間に取り残されてしまいます。スクールに通う場合でも、授業を受け身で聞くのではなく、自ら積極的に学んでいくことが必要です。
7.転職活動前に実務的なサイトをたくさん作る。
Web業界の転職では即戦力が求められます。経験者が転職する場合、自分の実績となるサイトを見せ、転職希望先の会社にどのように貢献できるのかをアピールします。
では実績のない未経験者はどうすれば良いかというと、実績を作るしかありません・・・
転職前にできるだけ実務に即したサイトを作りましょう。
知り合いのケーキ屋のサイトでも、行きつけの美容院のサイトでもかまいません。お願いして実際に使うサイトを作らせてもらいましょう。スクールに通っているなら、講師と仲良くなって外注として仕事をもらうというという手もあります。転職希望先の会社に対して、貢献できることを示す材料をできるだけたくさん用意しておきましょう。
スクールの課題で作った趣味レベルのイラストや架空の会社のサイトでは不十分です。実際にクライアントに納得してもらったサイトを用意しましょう。
8.業界に人脈を作る。
Web業界は以外と狭いです。人と人とのつながりが仕事や就職につながることが良くあります。実際、私もスクール時代に知り合った講師からの誘いで現在の会社に勤めています。
すでにWeb業界に人脈がある方はそこからさらに広げれば良いのですが、これから未経験でWebデザイナーをめざす方の多くは人脈がまったくない状態かと思います。
そういう方は、スクールを活用しましょう。知識やスキルは独学でも学べますが、人脈はどうにもなりません。正直、そのためだけにおカネを払ってスクールに通ってもいいくらいです。
9.会社選びは慎重に。
30代、未経験での転職で就職先を選ぶのは難しいかもしれません。しかし、30代での転職ですので、ある程度将来を見すえていないと、今後の人生に影響を与えかねません。
実績の派手さにとらわれず、いろいろな角度から検討しましょう。ポイントとしては、どんな社風か、どんな社員が働いているか、取引先はどういったところか、前職のスキルを活かせそうかなどが挙げられます。
若いうちは経験を積むためにとりあえず就職するという考え方もありますが、薄給で深夜まで労働を強いられ何も残らないのでは、30代の働き方のとしては、辛いものがあります。
とはいえ、すべての条件がそろった理想の会社というのはまずありません。また、タイミングも重要です。慎重になりすぎて転職できなくなってしまっては本末転倒ですが、優先順位を決め、よく考えて検討しましょう。
10.プロになる、という意識をもつ
PhotoshopやIllustratorが使えるだけでは、Webデザイナーとは言えません。クライアントを納得させ、対価をもらえるデザインを作り出す力が必要になります。ディレクターやプロデューサーも、それができなければ、あなたに仕事をまかせないでしょう。
さらに30代であれば、指示を受けるだけではなく、提案力やチームワーク力も必要になります。
転職活動では、こういった力のアピールがポイントになります。今までに作った作品や前職でのスキルでアピールできるところはないか、一度見直してみましょう。
最後に
いかがでしたか?
ちょっと厳しい書き方だったかもしれませんが、あまり夢のようなことを言っても仕方ないので、ありのままを書いたつもりです。
30代でWebデザイナーになるのは、やはり大変です。しかも、労働環境や収入面で努力が報われたと思うことはほとんどありません。でもWebデザインが本当に好きであれば、充実した毎日を送ることもできるのです。
細かく言うと、他にもいろいろあるのですが、それは追い追い書いて行きたいと思います。